@article{oai:atomi.repo.nii.ac.jp:00003647, author = {石田, 信一}, issue = {55}, journal = {跡見学園女子大学文学部紀要, JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LETTERS}, month = {Mar}, note = {application/pdf, text, バルカン(南東欧)諸国では各国の歴史教科書の民族主義的な側面が紛争を助長し和解を妨げる要因の一つとして問題視され、諸外国からも関心を集めてきた。バルカン諸国の中でも歴史教育をめぐる活発な論争が見られるクロアチアの事例を取り上げ、1990年代以降の歴史カリキュラムおよび歴史教科書の変化あるいは継続性、とくにクロアチア・ナショナリズムに基づく愛国的な歴史観との関わりに注目しながら、第二次世界大戦や「祖国戦争」に関する記述に焦点をあてて、その特徴と問題点について考察した。 クロアチアの学校教育において歴史は主要な科目の一つであり、授業時間数もかなり多い。歴史教科書はカリキュラムに準拠した認可制で、複数の出版社から刊行され、四〜五年ごとに改訂されている。1990年代の教科書は民族主義的な傾向が顕著であったが、2000年代にカリキュラムによる制約は緩和される一方、クロアチア議会の「祖国戦争に関する宣言」などを通じて公式見解が表明され、教科書に反映せざるをえない状況が生じた。第二次世界大戦にせよ「祖国戦争」にせよ、クロアチアを犠牲者・被害者として描くことが求められ、クロアチア側にも問題があったとするような「相対化」の動き糾弾し、多角的な視点に基づくアプローチを認めない立場もある。その点で、なおクロアチアの歴史教育には紛争を助長し和解を妨げかねない面があり、その本質的な改善が求められていることを指摘した。}, pages = {1--18}, title = {クロアチアにおけるカリキュラムの変遷と歴史教育の諸問題}, year = {2020} }