@article{oai:atomi.repo.nii.ac.jp:00004016, author = {石田, 信一}, issue = {57}, journal = {跡見学園女子大学文学部紀要, JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE}, month = {Mar}, note = {application/pdf, text, 旧ユーゴスラヴィア諸国では学校教育制度の改革が進展し、そのカリキュラム・教育内容も大きく変化している。各国で教育内容が異なることは言うまでもなく、とくに歴史教科書においては特定の事件や人物等の評価をめぐって対立的な 記述が目につき、それが紛争後の人々の和解の妨げとなっている面もある。その一例がユーゴスラヴィア各地に住むセルビア人の処遇をめぐる問題である。この問題はユーゴスラヴィア紛争の一つの焦点であり、現在でも解消されたとはいえない面がある。そこで、セルビアおよび近隣諸国の小学校向け地理・歴史教科書を参照しつつ、地理教科書の記述を中心に、そこに描かれたセルビア国外、とくに近隣諸国に在住するセルビア人に関する記述について分析を進めた。  現在のセルビアの地理教科書には「ディアスポラと地域のセルビア人」、すなわちセルビア国外のセルビア人に関する詳しい記述がある。もとより、歴史教科書においては現在のセルビアに限らず、広くセルビア人の歴史が描かれている。それはセルビア国外のセルビア人との結びつきを重視するセルビア政府の方針を反映している。一方、クロアチアの教科書におけるセルビア人に関する記述と比較すると、クロアチアの地理教科書にはセルビア人がほとんど描かれておらず、また歴史教科書では一九九〇年代の紛争における「反乱」の担い手として否定的に描かれる面があり、セルビアの教科書においてクロアチア人のセルビア人を被害者として位置づけているのとは対照的である。さらに、クロアチア以外の近隣諸国の地理教科書においても、セルビア人に関する記述はほとんどなく、敵対的ではないまでも無関心であるように見える。学校教育の場において、紛争を通じて悪化した国民感情の克服に貢献できるような、いっそうの教科書改善の努力が必要であろう。}, pages = {1--22}, title = {セルビアと近隣諸国の地理・歴史教科書におけるセルビア人}, year = {2022} }