本稿は、アート・アーカイブを可能な限り多面的に筆者の知見を踏まえて再考(レビュー)すること、その過程で遭遇したアート・アーカイブの様態と論考(含む拙論)を「書誌的エッセイ(bibliographic essay)」の形式で記録することを目的とする。その再考(レビュー)は、アート・ドキュメンテーションのある種の顕現としての「美術」「作品」の「生命誌」を編む」という行為に逢着することであることをあらためて確認する。
ちなみに「書誌的エッセイ(bibliographic essay)」のスタイルは、かつて国際図書館連盟(IFLA)東京大会(1986)での専門図書館部会美術図書館分科会におけるボストン美術館美術図書室長ナンシー S. アレン氏の発表に触れて知ったものである(詳細、「要旨」末尾に記載)。本稿もそのスタイルと趣旨・機能を踏まえて、引用と出典および補記を本文のおおよそ章ごとの末尾に挿入して、謂ゆる「文献レビュー」の形態を取るため、通常の論考論文と形式をいささか異にすることを本文の前に敢えて注記して、伝えるものである。
Allen, Nancy S. “History of Western sources on Japanese art: a bibliographic essay*". Art Libraries Journal, vol. 11, no. 4. 1986. pp. 8-12.
*The text of a paper presented to the IFLA Section of Art Libraries at Tokyo, August 1986.